シュレディンガーの猫
シュレディンガーの猫ってご存知ですか?
昔から様々なところで”シュレディンガーの猫”という言葉を目にします.そのためたくさんの人が間違った意味で使い,たくさんの人がソレについて訂正を行ってきました.そのため”もう知ってるよ!”と言いたくなるかもしれませんが,練習も兼ねて書かせていただきます.ぜひ読んでみてくださいね.
まずシュレディンガーの猫とはどういうものでしょうか?
シュレディンガーの猫とは量子力学についての議論の一つです.
こういう思考実験を考えてみましょう.箱の中に完全に"ランダム"な要因によって死が引き起こされるからくりと一緒に猫を入れてみる.その後箱を開けるとその途端に生死が決定される.このとき大切なことは,箱が開けられるまで猫は生きている状態と死んでいる状態が"重ね合わせ"の状態になっているということです.(死にかけの猫が入っているわけではない.)
さてここでよく間違いだと言われるポイントは,"猫の状態が生きているか死んでいるか箱を開けなければわからない"というように不確定であることを述べる例にこの言葉を用いることです.
本当はシュレディンガー本人はこの"重ね合わせ"がおかしいぞ!と否定するためにシュレディンガーの猫を作りました.そもそもシュレディンガー自身は量子力学に否定的なのです.
しかし実際は"重ね合わせ"の状態が正しかったのです.もっとも猫のように大きなものではなく,電子などの小さなものにおいてですが.
それではこの"重ね合わせ"について少し考えてみましょう.
決定論という言葉は直感的にわかると思います.小中高で理科や物理で扱った質点や剛体を扱う力学は結果がピタッと定まりますね.(たとえば摩擦のない斜面で箱を滑らせるといった問題で位置や速度を決めることはできますよね!)このようなものを決定論といいます.
一方量子力学では決定論的ではありません.観測によって状態は定まります.上に述べたように状態が確率的に"重ね合わせ"で存在し,それらが観測によって1つの状態に収束するのです.この解釈はコペンハーゲン解釈といいます.これだけ聞くとわけがわからないですよね.私もよくわかりません.というより誰もわかりません.
観測の理論については面白いのですが非常に難しいのでここでは割愛させてくださいね.(一応ワードをあげておくならシュテルン-ゲルラッハの実験,分裂宇宙モデル)
これは2重スリットで最もわかりやすい動画です.